小学1〜3年生、英語は何をやればいい?まず「多聴多読」から始めてほしい理由

「小学校に入ったし、そろそろ英語も何かやった方がいいのかな?」

そんな風に考え始める親御さん、多いのではないでしょうか。

でも、いざ始めようと思うと選択肢が多すぎる!!

英会話?英検?フォニックス?単語?文法?オンライン英会話??

「英語は早く始めた方がいい」とは聞くけれど、小学1年生、2年生から英検対策させるのもちょっと違う気がする……。

じゃあ結局、低学年のうちに何をやっておくのがいいの?

長年子どもたちの英語学習を見てきた私が聞かれたら、まずおすすめしたいのが、英語をたくさん聞いて、たくさん読む「多聴多読」です。

できれば小学1〜3年生くらいから始めてほしい!

でも、その理由は単純に「小さい方が英語を覚えやすいから」だけではありません。

私が低学年からのスタートをおすすめしたい一番の理由は、この時期には、高学年になったら少しずつ失われていく「時間」と「余白」があるからなんです。

「3年生までに始めないと手遅れ!」ではありません

子どもの英語教育について調べると、「臨界期」という言葉を目にすることがあります。

「○歳までに英語を始めないとネイティブのようになれない」といった話を聞いたことがある方もいるかもしれません。

確かに第二言語習得と年齢には関係があります。特に発音や音韻などについて、幼い時期からその言語に触れることにはメリットがあると考えられています。

でも、「小学3年生を過ぎたら急に英語を習得できなくなる」という明確な境界線が科学的にあるわけではありません。

約67万人を対象にした大規模研究では、第二言語の文法を学ぶ能力は17歳台まで高い水準を保つ一方、ネイティブに近いレベルまで到達するためには、より早い時期から学習を始める必要があることが示唆されています。

つまり、

「3年生までに始めないと、もう遅い!!」

なんて焦る必要はありません。

5年生でも、中学生でも、大人になってからだって英語は学べます。

では、なぜ私はそれでも「できれば小学1〜3年生くらいから始めてほしい!」と思うのか。

実は脳の話以上に、もっと現実的な理由があります。

高学年になると忙しい、そして反抗期も!?

小学1〜3年生くらいまでは、まだ親子で一緒に家庭学習に取り組みやすい時期です。

もちろん個人差はありますが、「じゃあ今日はこれやろうか^^」と声をかければ、一緒にテーブルに座ってくれる確率もまだ高い。

ところが高学年になると、これがだんだん難しくなってきます。

友達と遊びたい。ゲームしたい。YouTube見たい。自分の好きなことをやりたい。

習い事も増えるし、中学受験をする子なら塾や宿題も一気に増えます。

そして何より、自分の意思がはっきりしてくる!

親が「英語10分だけやろうよ」と言っても、

「今やりたくない」

「なんでやらなきゃいけないの?」

「今日やらなくてもよくない?」

……となる(笑)。

これ、成長している証拠でもあるんですよね。自分で考えて、自分で選びたい気持ちが強くなっているのですから。

でも親からすると、「毎日たった10分、英語に触れてほしい」だけなのに、それがものすごく難しくなる。

Brave Kidsでも、小学校高学年や中学生のお子様の家庭学習について親御さんからご相談を受けることがありますが、「親がやってほしいこと」と「本人が今やりたいこと」が一致しなくなるのはごく自然なことだと思いますし、自立し始めた子供に大人ができることはだんだん少なくなっていきます。

だからこそ、その前に。

まだ親子で一緒に取り組みやすい低学年のうちに、「毎日少しだけ英語に触れるのが普通」という習慣そのものを作っておく。

これがものすごく大きいんです。

高学年になると「そろそろ結果を出さなきゃ!」も始まります

もう一つ、高学年になってくると変わることがあります。

英語学習に「結果」を求め始めるんです。

「そろそろ英検を取らせた方がいいかな?」

「中学校に入る前に文法をやっておかないと!」

「単語のスペルも覚えないと!」

親としては焦りますよね。

学校の英語もだんだん本格的になってきますし、中学校以降の英語を考えれば、英文法も単語学習も必要です。英検だって、目標を持って勉強する素晴らしい機会になります。

私はこれらを否定するつもりは全くありません。

問題なのは、目に見える成果を急ぐほど、「時間はかかるけれど大切な学習」が後回しになりやすいことなんです。

その代表が、多聴多読です。

今日10分英語を聞いたからといって、明日のテストが10点上がるわけではありません。

1か月英語の本を読んだからといって、突然ペラペラ話し始めるわけでもありません。

だったら、

「そんなことより単語覚えよう!」

「文法問題やろう!」

「英検の過去問やろう!」

となってしまう。

その気持ち、すっごくよく分かります。

だってそっちの方が成果が見えやすいですから。そして今の教育環境がそれを求めているのも現実ですから。

文法は解ける。でも英語が聞けない、話せない……

学校英語や試験英語が悪いわけではありません。文法を体系的に理解することも、単語を覚えることも、もちろん大切です。

でも、それだけに偏ってしまうと、

文法問題なら解ける。英文を見れば訳せる。でも、実際に英語を聞くと何を言っているのか分からない。言いたいことが英語でパッと口から出てこない。

という大人に成長してしまう・・・。

実際、私自身も長年英語教育に携わる中で、文法や単語の知識はしっかりあるのに、「聞く・話す」になると急に難しく感じる大人の方をたくさん見てきました(以前は社会人向けの英語スクールで教えていました)。

だからこそ、まだ「次の試験」が迫っていない低学年の時期に、時間をかけないと育ちにくい部分をじっくり育ててほしいんです。

低学年は「すぐ結果が出なくてもいい学習」ができる黄金期!

小学1年生、2年生、3年生。

この時期の英語学習の素晴らしいところは、まだ急いで結果を出さなくてもいいことだと思います。

半年後に英検○級を取らなくてもいい。

来月のテストで80点取らなくてもいい。

だったら今のうちに、毎日少しずつ英語を聞いてみる。

絵を見ながら音声を楽しむ。

英語の音を真似してみる。

文字も少しずつ見てみる。

全部分からなくてもいいんです。

多読については、第二言語の語彙、読解力、読む流暢さなどへの効果が研究でも報告されています。また、英語を読んだり聞いたりする中で、明示的に暗記しなくても語彙を少しずつ学習していくことも確認されています。

ただし、こうした力は「今日やったから明日成果が見える」というものではありません。

時間をかけて、じわじわ育っていくもの。

だから私は、低学年で始める最大のメリットは「英語を早く先取りできること」ではなく、

「今すぐ結果にならないことに、時間を使えること」

だと思っています。

これ、実はものすごく贅沢なことなんです。そんな時期は、この人生100年時代のうちの本当にたった数年なのです。

今すぐ見えない「英語の土台」を作っておく

多聴、多読、音読、シャドーイングなどを長く続けていると、少しずつ英語の土台が育っていきます。

英語特有の音やリズムへの慣れ。

音と文字の結びつき。

発音やイントネーション(抑揚)。

たくさんの語彙やフレーズとの出会い。

そして、「英語ってこの順番で言うんだな」という語順の感覚。

もちろん、これらすべてが多読だけで身につくわけではありません。

だからBrave Kidsでも、聞く、読む、声に出す、絵を説明する、コーチと話す、書く、といったトータルな活動を組み合わせています。

でも大切なのは、知識として教わる前に、たくさんの英語に出会っておくこと。

たとえば中学生になって「三単現のs」を習ったとき。

初めて見るルールとして覚える子と、それまで何百回、何千回と英語を聞いたり読んだりする中で「He likes ~」「She goes ~」のような英語に出会ってきた子では、文法を習ったときの感覚も違ってきます。

「あ!これ、今までいっぱい聞いてたやつだ!」

となる。

私は、低学年からの英語学習では、こういう「あとから文法の説明を聞いたときにつながる材料」を頭の中にたくさん貯めておくことが、とても大切だと思っています。

たった10分。でも3年間なら約182時間!

Brave Kidsでは、毎日の家庭学習として「1日10分」を一つの目安にしています。

10分。

短いですよね(笑)。

「そんなので本当に英語ができるようになるの?」と思われるかもしれません。

でも、

1日10分 × 365日 = 約61時間。

それを3年間続けたら、

約182時間です!

逆に言えば、毎日10分続けても、3年間で182時間。

言語を身につけるって、それくらい長い時間軸で考える必要があるものだと私は思っています。

私たちが日本語を身につけたときだって、生まれてから毎日毎日、大量の日本語を聞き続けました。

1歳で全部話せるようになったわけでも、2歳で本が読めたわけでもありません。

何年もかけて聞いて、少し話せるようになって(可愛い間違えをたくさんしながら^^)、また聞いて、語彙が増えて、絵本を読んでもらって、間違えが少しずつ減って、文字も少しずつ読めるようになって……。

ものすごく長い時間をかけて言葉を育ててきたんですよね。

なのに英語になると、

「3か月やったけど、まだ読めない」

「半年やったけど、まだ話せない」

と焦ってしまう。でもでも、

言葉って、本来そんなにすぐ出来上がるものじゃないですよね。

だから私は、英語も少なくとも数年単位で見てほしいと思っています。

そして3年間かけて土台を作るなら、小学5年生から始めるより、小学1年生、2年生から始めた方が、その後の本格的な英語学習までにたっぷり時間を取れます。

これも、私が低学年から多聴多読を始めてほしい大きな理由です。

「でも1年生なのに、多読なんてできるの?」

ここまで読んで、

「いやいや、うちの子はまだ1年生なんですけど……。英語の本なんて読めません!」

と思った方。

大丈夫です^^

最初から自分で読む必要なんてありません!

ちょっと思い出してみてください。

お子様が赤ちゃんだった頃、絵本を読み聞かせませんでしたか?

まだ文字なんて一文字も読めない。

言葉の意味だってほとんどわかってない。

それでも絵本を見せながら、

「ワンワンだね~」

「お月さま出てきたね~」

なんて読み聞かせましたよね。

「この子、まだ字が読めないから絵本は意味ないな」

なんて思わなかったはずです(笑)。

英語だって同じです。

いきなり「多読」から始めなくていい。

まずは「多聴」からでいいんです。

英語の音声を聞きながら絵を見る。

何度も同じ表現に出会う。

少しずつ意味が分かってくる。

そのうち音声を聞きながら文字にも目がいくようになる。

「この音って、この文字なんだ!」と音と文字が少しずつつながる。(フォニックス学習を並行するとさらに加速します。)

真似して声に出してみる。

そして、だんだん自分でも読める部分が増えていく。

多聴 → 音と意味がつながる → 音と文字がつながる → 声に出してみる → 自分で読めるようになる。

実際に、ドラえもんの読み聞かせ動画を聞くところから始め、今では一人ですらすら読めるようになったSくんの体験談はこちら

これって、ものすごく自然な言葉の学び方だと思いませんか?

低学年は「英語の成果を刈り取る時期」ではなく「種をまく時期」

小学1〜3年生の英語学習で、

「何級取れた?」

「単語を何個覚えた?」

「文法をどこまで先取りした?」

という成果を急がなくてもいいと、私は思っています。

もちろん、英検が好きでどんどん挑戦したい子は挑戦すればいい!それも素晴らしい経験です。

でも、全員が低学年から目に見える成果を追いかける必要はありません。

それよりも、

英語の音をたくさん聞いた。

面白い英語にたくさん出会った。

毎日10分英語に触れるのが普通になった。

少しずつ英語の文字も読めるようになった。

英語を声に出すことに抵抗がなくなった。

そんなものをたくさん貯めていく。

小学1〜3年生は、「英語の成果を刈り取る時期」ではなく、あとから大きく育つための「種をまく時期」でいいと思うんです。

その種が土の中で少しずつ根を伸ばして、4年生、5年生、6年生になり、中学生になって文法や単語を本格的に学び始めたときに、

「あ!これ知ってる!」

「この言い方、聞いたことある!」

「なんとなくこっちの語順の方が自然!」

と、今まで積み重ねてきたものが一気につながっていく。

私はそんな英語学習を子どもたちにしてほしいと思っています。

Brave Kidsが「毎日10分」を大切にしている理由

だからBrave Kidsでは、レッスンの日だけ英語をやって終わり、ではなく、毎日の家庭学習をとても大切にしています。

といっても、いきなり長時間机に向かわせるわけではありません。

目安は1日10分。

ドラえもんなど、子どもたちが「見たい!」「続きが気になる!」と思えるコンテンツを使いながら、まずは英語を聞く。絵を見る。少しずつ文字を見る。声に出してみる。そして徐々に「聞く」から「読む」へつなげていきます。

コーチとのセッションでは、その子が今どこまでできるようになったのかを確認しながら、4技能をバランスよく伸ばしていきます。

1日10分なんて、今日だけ見たら本当に小さな積み重ねです。

でも、

10分 × 365日 × 3年間 = 約182時間。

この「小さいけれど長い積み重ね」を、私たちはとても大切にしています。

短期間で目に見える成果を出すことだけではなく、この先何年も英語を学んでいく子どもたちの土台を作ること。

それが低学年からの時期にできたら、ものすごく大きな財産になると思っています。

「小学校低学年の英語、何をさせたらいいんだろう?」と迷っている方へ

英会話にしようかな。

英検を始めようかな。

フォニックスが先かな。

単語を覚えさせた方がいいかな。

いろいろな選択肢があるからこそ、迷いますよね。

でも小学1〜3年生なら、私はぜひ一度、

「今すぐ何ができるようになるか」ではなく、「3年後、5年後のために今どんな土台を作ってあげられるか」

という視点でも考えてみてほしいと思います。

まだ焦らなくていい今だからこそ、できることがあります。

たくさん聞く。

楽しむ。

少しずつ文字と音をつなげる。

毎日ちょっとだけ英語に触れる。

そして、それを「特別な勉強」ではなく、歯磨きのような毎日の習慣にしていく。

その小さな積み重ねが、高学年、中学生になったときに「あの時やっておいてよかった!」と思える大きな土台になるかもしれません。

もし、

「うちの子にも、そんな英語学習を一度体験させてみたい」

と思っていただけたら、ぜひBrave Kidsの10日間体験にお越しください^^

「勉強としての英語」を急いで始める前に、まずは英語を聞いて、楽しんで、少しずつ読めるようになっていく。

そんな英語との付き合い方を、ぜひ親子で体験してみてください!

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著者のイメージ画像

Brave Kids/代表兼ヘッドコーチ
上村綾子

ニューヨーク州立大学心理学部卒業。大人向け英会話講師、オンライン教材開発、英語コーチングのカリキュラム開発など、長年にわたり英語教育の最前線に従事。著書に『Ayaのリアルトークリスニング』(小学館)、制作・出演を務めたポッドキャスト『English Aya Pod』(iTunes Podcast総合ランキング1位)、大人向けポッドキャスト『学ぶ大人応援ラジオ』など、メディアを通じた発信実績も多数。 現在は、子ども向けオンライン英語スクール「Brave Kids」の運営に加え、学習の習慣化を支援する「勉強継続コーチング StudyHabit」立ち上げに従事するなど、英語力と心理学の知見を掛け合わせた多角的な教育事業を展開。