中1で英語が苦手になる子が急増する本当の理由―「be動詞と一般動詞」が英語学習最大の壁です

中1英語でbe動詞と一般動詞の混乱

こんにちは、Brave Kids代表の上村綾子です。

先日、Yahoo!ニュースで「中1生徒の3分の1が「英語嫌い」 4割が「be動詞の否定文」を理解できない現実」についての記事を読みました。

記事によると、中学校で学ぶ新出単語数は、以前の学習指導要領では約1200語だったものが、現在は1600~1800語程度まで増えています。また、「英語が好き・どちらかと言えば好き」と答えた中学1年生は46.3%だった一方で、「嫌い・どちらかと言えば嫌い」は30.6%にのぼり、およそ3人に1人が中学1年生の時点で英語嫌いになっているという結果も紹介されていました。

私はこの記事を読みながら、「やはりそうか」と感じました。

なぜなら、長年子どもたちの英語学習を見てきた中で、中学校で英語が苦手になる最大の原因は、単語でも長文読解でもなく、

『be動詞と一般動詞の区別』

にあると感じているからです。

英語学習の最初にして最大の難関

英語の文は、大きく分けると2種類しかありません。

  • I am happy.
  • She is a teacher.

のようなbe動詞の文。

そして、

  • I play soccer.
  • She likes music.

のような一般動詞の文です。

大人から見ると当たり前に見えるこの違いですが、日本語には存在しない考え方です。

そのため子どもたちは、

  • I am play soccer.
  • She is like music.

という文を本当に何度も作ります。

保護者の方から、

「どうして何度説明しても同じ間違いをするのでしょうか?」

と相談されることもあります。

でも私はいつもこうお伝えしています。

それはごく正常な反応です。

むしろたった数回の説明で理解させようとすること自体が無謀です。

本当に難しいのは否定文と疑問文

さらに子どもたちを苦しめるのが、否定文と疑問文です。

be動詞なら、

  • You are happy.
  • [否定]→You are not happy.(動詞の後ろにnot)
  • [疑問]→Are you happy?(主語と動詞を入れ替え)

となります。

ところが一般動詞になると、

  • You play soccer.
  • [否定]→You do not play soccer.(動詞の前にnot、その前にdoが入る)
  • [疑問]→Do you play soccer?(主語と動詞は入れ替えない、冒頭にdoが入る)

になります。

操作方法がまったく違うのです。

しかも英語を話すときには、

「これはbe動詞の文かな?」
「一般動詞の文かな?」

と考えている時間はありません。

瞬時に判断して口から出さなければなりません。

だから難しいのです。

そしてこの2種類の動詞の区別を難しくしているもう一つの文法が「現在進行形」です。

現在進行形では、I am playing soccer.のように、一見be動詞と一般動詞が一緒に使われているかのような形を取ります。
ここがまた中1の前半に出てくるため、「be動詞と一般動詞は、原則どちらか1つを使う。そしてそれぞれに異なる操作をする」という動詞の区別の土台となる理解が難しくなってしまうのです。

実は2~3年かかるのが普通

私はBrave Kidsでたくさんの子どもたちを見てきました。

どんなに飲み込みが早い子でも、

  • be動詞と一般動詞を混同する
  • doやdoesを忘れる
  • 疑問文の語順を間違える

というミスを繰り返します。

そして正確に使い分けられるようになるまでには、

2~3年程度かかることがほとんどです。

文系関連の理解が得意な子でも2~3年。

文系が得意ではないタイプのお子さんなら、さらに長くかかることもあります。

つまり、

中1の1学期で習う内容だから簡単なのではなく、中1の1学期から何年もかけて習得する内容なのです。

中1の冬に4割がbe動詞の否定文を理解できていない

Yahoo!ニュースの記事では、

「私はオーストラリア出身ではありません」

という意味の英文を選ぶ問題も紹介されていました。(be動詞の否定文)

この問題で正解できた生徒は6割に届かなかったそうです。

つまり、

中学1年生の12月時点で、約4割の生徒がbe動詞の否定文を十分理解できていない

ということになります。

この数字を見て驚いた方もいるかもしれません。

でも私はむしろ、

「やっぱりそうだろうな」

と感じました。

なぜなら、これは本来、何十回・何百回と練習する中で、何度も間違えて、何度も修正して、を繰り返してようやく身につく内容だからです。

学校で数時間習っただけで完全に定着する方が難しいのです。

昔の教科書はもっと丁寧だった

実は昔の英語教科書は、今よりもずっとゆっくり進んでいました。

Yahoo!ニュース記事によると、2015年版の『NEW HORIZON』では、最初の3ユニットを使ってbe動詞と一般動詞を段階的に学習していたそうです。

しかもbe動詞は2回に分けて扱われていたそう。

まずbe動詞を学び、

その後で一般動詞を学び、

最後に両者を使い分ける。

そんな構成でした。

ところが現在の教科書では、ユニット1でいきなり

  • be動詞
  • 一般動詞
  • 否定文
  • 疑問文

が登場します。

さらにユニット2ではcan。

ユニット3では、

  • What
  • Who
  • Why
  • How
  • When
  • Where

などの疑問詞が一気に出てきます。

中学英語の進度が早まったのには小学校での英語授業が開始したことと大きな関連があります。
小学校英語ではこうしたbe動詞や一般動詞、否定文や疑問文に音を中心に触れてきているため、既習事項であるとされてしまい、中学ではさらっと一気に駆け抜けてしまうのです。
確かに小学英語で触れてきた英会話表現にこれらの基礎文法は繰り返し使われていましたし、授業の中で一部を暗記して言う練習もしますが、文法操作の詳細まで理解できるほど十分な学習ではありません。

「小学生で触れてきてるからすぐにわかるよね」という前提で、この基礎文法を短期間のうちに終わらせてしまうことで、英語使用の土台として一番大切な2種類の動詞の区別ができないまま中1の後半に突入してしまっているという現状が見て取れます。

英会話上級者でも間違える

私は仕事柄、英語コーチの採用面接をたくさん行います。

英会話が非常に流暢で、海外在住経験も豊富な方であっても、疑問文を瞬時に作る場面で小さなミスをすることがあります。

「あ、今 does が抜け落ちたな」「主語と動詞の語順間違えているな」という具合です。

もちろん会話は成立します。

でも、

英語上級者ですら100%正確に操作するのが難しい内容

なのです。

そのくらい、この中1で学ぶ基礎文法は奥が深いのです。

Brave Kidsが小学生のうちにじっくり取り組む理由

だからBrave Kidsでは、小学生のうちからたっぷりと時間をかけて英語の土台を作ります。
中1で学ぶ基礎文法事項は特にしっかり繰り返し練習を行います。

漫画のイラストを見ながら、

「誰が何をしている?」

を英語で説明するスピーチ練習がその1つです(肯定文、否定文、進行形の練習)。

また、漫画の内容についてどのくらい覚えているかのクイズをコーチと交互に出し合ったり(疑問文の練習)、漫画に出てきたセリフを自力で組み立てて再現するクイズに挑戦したりします(その他各種文法も練習)。

その中で、

  • 主語は何にするか
  • どの動詞を使うか
  • be動詞なのか一般動詞なのか
  • どの語順で並べるか
  • 意味に合わせてどのように動詞を操作するか

を考えながら同時に話す練習を何十回・何百回と繰り返します。

そして間違えたら、担任コーチが小学生にもわかる言葉で説明します。
もちろん温かい笑顔で^^
「この間も説明したじゃない!」などのネガティブフィードバックは決して行いません。

そしてまた話す。

また間違える。

また明るく修正する。

すると、最初は7割間違えていたところが、5割、3割、1割と、じわじわと間違える頻度が減っていくのです。

地味な作業ですが、このプロセスで精度を上げていくことこそが英語力の成長です。

英会話だけをしていても文法力は育ちません。

文法問題だけを解いていても会話力は育ちません。

Brave Kidsでは、この両方を同時に育てていきます。

多読が中学英語を楽にする

そしてもう一つ大切なのが語彙です。

中学校で学ぶ単語数は以前より大幅に増えています。
文法同様、「この単語は小学英語で聞いたことがあるよね」という前提でどんどん増えていきます。

そのため、中学校から単語帳だけで追いつこうとすると大変です。
和訳と英訳のセットで叩き込めるほど、単語の世界は単純ではありません。
同じ単語でも使われる状況によって意味が複数あったりします。

Brave Kidsでは、小学生のうちから多読を行います。感情移入できる楽しいストーリーの中で繰り返し語彙に触れるので、どんな状況でどんな風に使われ、どんな音で発せられるのかなど、周辺情報と一緒に少しずつ脳に刷り込まれていきます。

すると、

  • 聞けば意味がわかる
  • 読めば意味がわかる

という語彙が自然に増えていきます。

さらに時間をかけて、

  • 自分で使える語彙
  • 自分で話せる語彙

へと育てていきます。

これは単語帳の丸暗記では身につきません。

大量の英語に触れながら育つ、本物の語彙力です。

英語力は「早く理解する力」ではなく「繰り返す力」で決まる

もしお子さんが、

  • be動詞と一般動詞を混同する
  • 疑問文を間違える
  • 同じミスを何度も繰り返す

そんな状態だったとしても、どうか必要以上に心配しないでください。

それは英語が苦手だからではありません。

英語を学ぶ子どもたちの多くが通る、ごく自然な成長過程です。

英語力は、

「一度の説明で理解できるか」

ではなく、

「何度でも修正しながら続けられるか」

で決まります。

Brave Kidsでは、小学生の貴重な時間を使って、この英語の土台作りをじっくり行っています。

中学校に入ってから英語に追われるのではなく、小学生のうちから英語の基礎体力を育てる。

それが、私たちBrave Kidsが大切にしている英語学習です。

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▼Brave Kids の特徴
1. 英語版「ドラえもん」の多聴多読で英語4技能が伸びる
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Brave Kids/代表兼ヘッドコーチ
上村 綾子

ニューヨーク州立大学心理学部卒業。大人向け英会話講師、オンライン教材開発、英語コーチングのカリキュラム開発など、長年にわたり英語教育の最前線に従事。著書に『Ayaのリアルトークリスニング』(小学館)、制作・出演を務めたポッドキャスト『English Aya Pod』(iTunes Podcast総合ランキング1位)、大人向けポッドキャスト『学ぶ大人応援ラジオ』など、メディアを通じた発信実績も多数。 現在は、子ども向けオンライン英語スクール「Brave Kids」の運営に加え、学習の習慣化を支援する「勉強継続コーチング StudyHabit」立ち上げに従事するなど、英語力と心理学の知見を掛け合わせた多角的な教育事業を展開。