家庭学習が続かない子に親ができる3ステップ〜「うちにはムリ」と諦める前に

「今日、勉強やった?」「あとでやる」「…いい加減やりなさいよ(怒)!」

家庭学習を続けてほしい親と、できればやりたくない子ども。こんなやり取りを毎日のように繰り返しているご家庭も多いのではないでしょうか。

特に小学校高学年くらいになってくると、家庭学習を続けるのは本当に難しくなります。小さい頃のように親の言うことをすんなり受け入れてはくれません。
(思春期、反抗期、どれも正常な成長の証!とはいえやっぱり親は大変です^^;)

Brave Kidsの生徒さんを見ていても、これは決して珍しいことではありません。
言わなければやらない。言えば嫌な顔をされる。せっかく良い環境を用意しているのに本人はやろうとしない。

「あなたのために言ってるのに!!」と腹が立ってくるし、最後には、

「そんなにやりたくないなら、もうやめなさい!」

と言いたくなることもあると思います。

かくいう私も思春期の子供2人、子育て真っ只中。「勝手にして!もうしーらない!」と放り出したくなりそうなことも正直ありました^^;

もちろん、本当にやめるという選択が必要な時があるのも事実です。本当に本人の希望に添わないこと、本当に本人のためにならないことはやめるべきです。
ですが、「面倒だけどやるべきこと」に少しずつ向き合う方法を親子で育む、良い機会になる場合もあると思うのです^^

家庭学習は、ただ「家で教科を学ぶ」だけのものではなく、もっともっと価値がある、「生きていく上で必要な粘り強さを親子で学ぶ」という、子供が子供でいてくれるたった数年のうちにしかできない、とっても貴重な親子の時間のようにも感じます。

ということで、今回の記事では、「家庭学習が続かない」という壁にぶつかったとき、親として何がしてあげられるかを、私自信の経験や、Brave Kidsの親御さんたちの経験を元に共有させていただきたいと思います!

大前提:決定者は子ども、大人は提案者

何を大切にするのか。何を学ぶのか。将来何を目指すのか。

「自分で選び、自分で決められるようになってほしい」と多くの親御さんが願っているでしょう。

私自身も、自分で決める練習をたくさんさせてあげたいと思いながら子育てしてきました。

でも親として、これを実践するのはめちゃくちゃ難しい!!

だって親には、「この子はこっちを選んだ方が幸せになれる」という思いが多かれ少なかれあるからです。

幸せになってほしい。将来困ってほしくない。できるだけ良い道を歩んでほしい。そう願っているからこそ、「こっちに行ってほしい」という気持ちが生まれるんですよね。

するとつい「こっちの方があなたのためだよ」と、あの手この手で誘導してしまったり、「そんなことしていたら将来困るよ!」と不安を煽ってしまったり、怒鳴ることで恐怖心を与えて無理やり動かそうとしてしまったり……。

「本人に決めさせよう」と頭では分かっていても、つい押し付けてしまう。これ、本当に難しいことだと思います。

さかなクンの例

このことを考えるとき、私は「さかなクン」の子ども時代のエピソードを思い出します。

子どもの頃から、とにかく魚が大好きだったさかなクン。魚を釣って、魚を見て、魚を調べて、魚を描いて。もう頭の中は魚、魚、魚(笑)。

親だったら、「魚ばっかりじゃなくて勉強しなさい!」「試験もあるんだから、今は魚をやめなさい!」と言いたくなる場面が山ほどあったと思います。

でも、さかなクンのお母さんは、その「好き」を否定するのではなく、魚への興味を応援したことで知られています。

そして今、さかなクンは自分が選んだ「好き」をとことん突き詰め、自分ならではの道を歩み、たくさんの人に愛されながら活躍しています。

親が考える「子の幸せ」と、子ども自身が見つけていく「幸せ」は、必ずしも同じではない。

我が子が私が願い通りのことをしてくれない時、さかなクンのことを思い出して、「この子は、自分で自分の幸せにつながる道を選んでいける」と何度も自分に言い聞かせる日々です^^;

とはいえ、何でもかんでも「じゃあ好きにして!」と言えないのもまた事実ですよね。
気が向いたことしかやらない、いやなことはすぐ放り出す、そういう大人に育てたいとは思えませんもの。

「子どもに任せる」=「放っておく」ではない

「あなたの人生なんだから、自分で決めて」「続けるって決めたんだから、あとは自分でやってね」

これは自主性を尊重しているようで、実は子どもにとってはかなりの無茶振りかもしれません。

特に小学生くらいの子どもは、「自分で決める力」も「決めたことを実際の行動に移す力」も、まだまだ発展途上です。

ということは、そう、そのやり方を親子で一緒に練習していけばいいんです!
家庭学習への挑戦は、そのためのものすごく良い練習の場にもなると思っています。

「自分で決め、行動を起こし、続ける」という、これからの人生の幸福につながる(なんならこれが全てかも!?)という重要なスキルを家庭学習を通じて育てる際、次の3つのステップをぜひ試していただきたいです!

ステップ①「決めてね」の前の情報提供と提案

何をやるのか、何をやらないのか、最終決定者は子ども。
では、良い決断のための知識や情報、経験を子どもが持ち合わせているかというと、それはまだまだです。

そこで「決めてね」の前にサポートしてあげるのがこの部分です!

例えば何か習い事についてやるかやらないかを決める場合。
その習い事をするとどのように自分の生活や将来に役立つのか、どんないいことが待っているのか。また逆に大変なことやデメリットは何か。
メリットもデメリットも含めて、いろいろな判断材料を渡してあげます。


そして親自身の経験を元に、親はどのように考えているかを提案します。
「お母さんは子どもの頃、これをやらなくて後悔したんだよね」「あのとき嫌だったけど続けておいて良かったと思うこともあるよ」など。
「やったらきっと数年後、こういうふうに良いことが起こると思うので私的にはお勧めするなー」

あくまでフラットに情報を提供し、親の考えも押し付けない提案レベルで紹介する。
そして、「決めるのはあなただよ!無理やり何かをさせたりしないから安心して。」と笑顔でフィニッシュ^^

情報を集める→理解する→比較する→考える→自分で決める。

これって、進学でも仕事でも、その先の人生でも、何度も何度も必要になる力ですよね。

親が「正解」を決めて渡してしまうのではなく、正解を自分で探して決める練習をする。家庭学習をそんな機会にできたらいいなと思います。

ステップ②「どうやってやるか」を見える化

話し合った結果、本人が「やってみる!」と決めました。

「素晴らしい!よし!じゃあ頑張ってね!!」

……では、まだ早いかもしれません(笑)。

実はここから、もう一つ大きな壁があります。

「やると決めること」と「実際に行動すること」は、全く別のスキルだからです。

これは大人でも同じですよね。「明日から運動する!」「資格の勉強を始める!」「毎日片づける!」と決めたのに、気づいたら三日坊主……。そんな経験、私もたくさんあります^^;

だから子どもに「自分でやるって決めたんでしょ!」と丸投げするのではなく、最初は親子で一緒に、計画を立てる→見える化する→実行する→振り返るという流れを経験していきます。

まず、「何曜日にやる?」「何時くらいならできそう?」「何をやる?」「どのくらいやる?」とできる限り具体的に考えていきます。

「毎日英語を頑張る!」ではダメなんです。「頑張る」って、具体的に何するの??ですね(笑)。

「○時から○○を○ページ解く」「○○の後に○○に○分間取り組む」
何を・いつ・どこで・誰と、など詳細が具体的に決まっていればいるほど行動は起こしやすくなります。

そして、その計画を忘れないための仕組みも必須です。
「今年こそダイエットするぞー!」と年始に意気込んだのはいいけど、2月にはすっかり忘れている、なんてザラです。
日々の生活に追われているとどうしても忘れてしまうのです。

そこでおすすめなのが、紙のカレンダーなどを使った「見える化」です。

1週間の具体的な学習・練習予定を書いて、リビングなど毎日目に入るところに置く。そうすれば「宿題はやったの?」「音読は?」「練習は?」と毎回言わなくても、その紙をそっと手渡して、「これ見て、できたら丸をしてね」と笑顔で伝えるだけ!

丸がいくつかついていたら、花丸をグルグルいっぱいつけてあげて、「今日自分でこんなにできたなんて、すごーい!」と一緒に喜びます。

○が1個。次の日も○。その次の日も○。気づいたら○がズラッと並んでいる。
この気持ち良さに気づけたらもうこっちのものです!
褒めてもらえる喜びも最初は原動力になると思いますが、自分1人でも自分の頑張りに満足できるようになったら、どんなことも続けていけるようになります。

もちろん計画通りにいかない週もあります。そんなときは「なんでできなかったの!」ではなく、「この計画、ちょっと無理があったかな?」「来週はどう変えたらできそう?」と一緒に作戦会議。

これも大切な学びです。

決断する→計画する→仕組み化する→行動する→振り返る→修正する。

これは大人になって何か目標を達成したいときにも、ずーっと使う力です。しかもそう簡単には身につかない。
一緒に過ごせる時間がたっぷりある子ども時代に、ぜひとも親子で磨きたい重要なスキルですね!

我が家の見える化の例

ステップ③「1%できたら大成功!」小さな積み重ね

さあ、やると決めた。計画も立てた。カレンダーにも書いた。

それでも当然、

「今日はやりたくない!!」

という日もあります。

人間ですから(笑)。

そんな日にぜひ思い出してほしいのが、「1%」の考え方です。

私の人生の書、『複利で伸びる1つの習慣』(ジェームズ・クリアー著)でも紹介されている計算式があります。

毎日1%ずつ改善し続け、1年間経つと(1.01を365回掛ける)、最初の状態よりもなんと37.78倍にも成長する、という複利の式です。

もちろん、人間の能力が本当に1年後にきっかり37.78倍になるという話ではありませんが、私がこの考え方で一番好きなのは、「小さな一歩を、たったこれだけと思わなくていい」というところです。

1%でも行動を起こした。

昨日ゼロだったのに、今日は1問やった。

それって、立派な前進ですよね!

たくさんやらなくてもいい。

1問だけ。1ページだけ。5分だけ。まずは、それでいい!

実際我が家の子どもも、「今日は嫌だー」という時に「1%でもできたらカレンダーに丸ができるよ。1%でも毎日やったら1年で37倍だって!」と伝えると、「じゃあ1問だけやるわ」と言ってテキストを開けちゃったりします。
本当に1問の時もありますが、大抵の場合そこからさらに数問解けちゃうことも!

自転車も勉強も、一番大変なのは「こぎ始め」

自転車を思い浮かべてみてください。

一番ペダルが重くて、ふらつきやすいのって、止まっているところからこぎ始める瞬間ですよね。でも、いったんスーッと進み始めれば、最初ほど大きな力はいりません。

勉強も、まさにこれだと思うんです。

一番腰が重いのは、テキストを開くまで。

ところが1問やってみたら、「あれ?もう1問いけそう」となることがあります。1ページだけのはずが、気づけば2ページできていることもある。

そんなときに子ども自身が、

「あれ?自分、やれば意外とできるじゃん!」

と気づく。お家の人からも「え!!1問だけって言ってたのに5問もできちゃったの?びっくり!」と言われたらさらに「次回も頑張っちゃおうかな」なんて思えます。

そして、本当に1問で終わったっていいんです。ゼロじゃない。

「1%できたね!やった!1年後には37倍だね!」と一緒に喜んじゃいます。

100%を基準にすると、「できなかったところ」ばかり目につきますが、1%を基準にすると、「できたこと」がいっぱい見つかります。

そしてそして、親だって100%じゃなくていいと思うんです。

仕事で疲れている日もある。余裕がなくてつい怒ってしまう日もある。頭では分かっているのに、どうしても褒められない日だってあります。

子どもにも1%。親にも1%。

親も1%ずつ焦らずやっていきましょう!

「どんなに小さな歩みでも、続けていけば必ず大きな成長につながる」と長期的に明るい視点を持って、笑顔で励ましていけたら最高ですよね^^

家庭学習で身につけたいのは「心の筋力」

私は、家庭学習を続ける価値って、テストの点数や試験合格だけではないと思っています。

大人になったら、「やりたくないけど、やった方がいいこと」が山ほどありますよね。

仕事、家事、健康管理、お金のこと、人との約束……。

そんなとき、嫌だから全部放り出すのでもなく、誰かに怒られたり脅されたりしてやっとやるのでもなく、

「自分で考えて、これは必要だと思ったから、ちょっと大変だけど一歩ずつやっていこう」

と思える。

これって、生きていくうえでものすごく大切な「心の筋力」だと思うんです。
この筋力を生まれ持っている子どもはいません(生まれた時からマッチョな赤ちゃんがいたら怖いです^^;)

だから家庭学習がなかなか続かないこと自体を、「うちの子はダメだ」「この子には無理なんだ」と捉える必要はありません。

何度でも何度でも、1%に挑戦する。また考え直す、計画し直す。

そしてその1%の習慣は、筋力がついてくるに従って、2%、3%…. 10%、30%…と必ず伸びていきます。
時間はかかりますが、粘り強く続ける力は、粘り強く育てることで必ず誰でも手にする事ができます。

Brave Kidsも「続ける力」を一緒に育てたい

もしかすると、英語ほど日々の積み重ね(しかも長期間)の学習が必要な教科は他にないのかもしれません。
あえていうなら国語でしょうか。赤ちゃんの頃から毎日毎日言葉を聞かせ、言葉をかけて、読み聞かせをして、対話をして、そうして日本語を育んできたと思います。
言葉の習得とは本来そういうもの。

なので、Brave Kidsでは家庭学習を何よりも大切にしています。
毎日通っていただくインターナショナルスクールのような学校ではないので、毎日英語に触れていただくにはどうしても家庭学習が必要だからです。

ですが、多くの親御様が「うちには家庭学習なんてできないのでは」という不安を持たれているのもまた事実です。

私たちにできること、それは各ご家庭で少しでも家庭学習が続けやすくするための工夫を重ねることです。正直簡単ではありません。
ですが、私たち自身も粘り強く、絶対諦めないという気持ちで試行錯誤をさせていただいております。

その一つが、「1週間学習チャレンジ」です。

毎日何をするのかを親子で決めて、カレンダー形式で見える化します。
できたことには○をつけて(1%でもOK!)、実績も見えるようにします。

そして、私たちコーチも「全部できたか」だけを見ないようにしています。

ほんの少し取り組めたこと。前回より1ミリでもできるようになったこと。本人がまだ気づいてさえいない小さな成長。

そんな「1%の変化」を見つけて、できるだけたくさんポジティブなフィードバックをする。

「できなかったことを指摘する人」ではなく、「自分でも気づかないような小さな成長を見つけてくれる人」がいることも、家庭学習を続ける力になると思っているからです。

実際にBrave Kidsにて使用している1週間学習チャレンジ表

それ以外にも、

  • 子どもたちが楽しめる漫画を多読教材にする
  • 学習仲間とゆるくつながれるイベントを開催する
  • イベント参加数を見える化する
  • 英検に合格したお友達をお祝いする
  • 壁にぶつかったときに保護者面談をする
  • 家庭学習を続けるためのコツを配信する

など、これからもあらゆる作戦で各ご家庭での試行錯誤を応援していきたいと考えています。

「やる気がある子だけが続けられる仕組み」ではなく、「やる気が出ない日にも一歩を踏み出せる仕組み」

を、どんどん考えていきたいと思っています!

それでも最後は、やっぱり「人」なのかもしれない

カレンダーも大切。仕組みも大切。楽しい教材もイベントも大切。

でも子どもたちを見ていると、最後はやっぱり「人」なのかもしれないなぁ、と感じることがあります。

「このコーチが好きだから、今日はやろうかな」

それだって、立派な学習の原動力です。

そもそも言葉って、人とつながるためのもの。

「この人のことをもっと知りたい」「この人とたくさん話したい」「自分のことを伝えたい」

そんな、人に向かう気持ちこそが言語を学ぶ大きな力になります。

だから私たちBrave Kidsのコーチも、ただ「英語を教える人」ではなく、子どもたちをありのまま受け入れて、小さな成長を見つけて、一緒に喜んで、心が通い合える存在でありたいと思っています。

家庭学習や英語習得で悩むことがありましたら、ぜひなんでもお気軽にご相談ください。
私たちと一緒に小さな一歩を積み重ねていきましょう!

▼家庭学習習慣からサポート▼

著者のイメージ画像

Brave Kids/代表兼ヘッドコーチ
上村綾子

ニューヨーク州立大学心理学部卒業。大人向け英会話講師、オンライン教材開発、英語コーチングのカリキュラム開発など、長年にわたり英語教育の最前線に従事。著書に『Ayaのリアルトークリスニング』(小学館)、制作・出演を務めたポッドキャスト『English Aya Pod』(iTunes Podcast総合ランキング1位)、大人向けポッドキャスト『学ぶ大人応援ラジオ』など、メディアを通じた発信実績も多数。 現在は、子ども向けオンライン英語スクール「Brave Kids」の運営に加え、学習の習慣化を支援する「勉強継続コーチング StudyHabit」立ち上げに従事するなど、英語力と心理学の知見を掛け合わせた多角的な教育事業を展開。